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頚椎後縦靭帯骨化症【放置しておくと怖い病気達】

頚椎後縦靭帯骨化症

特に脊柱管の前方にある、脊柱の連続性を補助する靭帯である「後縦靭帯」に骨のような組織が増殖してくる不思議な病気で、アジア、特に日本で多く見られる病気です。なぜ、このような病気が起きるのかはハッキリと解明されていないのが現状で、先の変形性頚椎症と合併することもあります。

”ハッキリと解明されていない”と聞くと深刻に聞こえるかもしれませんが、せめてもの救いとしてその特殊性から「難病」に指定されています。その為に手術の際には、主治医に症状や治療の内容などを記入してもらった書類(各市町村役場で配布される専用のもの)を提出すると、治療費の補助金が高い確率で下りる可能性があります。

 

頚椎後縦靭帯骨化症の症状は?

頚椎の脊柱管にある靭帯から骨のような組織がどんどん増殖してくれば脊柱管のスペースは狭くなる一方です。急に狭くなるわけではなく、永遠に骨のような組織が出来続けるわけではありませんが、”それ”は徐々に大きくなってきて、中に入っている脊髄を圧迫してしまうことがあります。

そうすると増殖した組織によって脊髄が傷つくことにより、手足の動きか悪くなったり、手足のしびれなどが出てきたりする事になってきます。

この症状の進行程度は、通常は何年という単位のゆっくりしたものです。しかし、転んでしまったり交通通事故などで怪我を負ったりすると、急に悪くなることがあります。
変形性頚椎症による脊髄症もそうですが、半数の方はそのようなアクシデントを機会に手足の動きが悪くなり、結果入院することになります。

 

診断・検査は?

具体的な頚椎後縦靭帯骨化症のイメージを提示します。 スキャンで頚椎を水平に輪切りにした状態です。おむすびを逆さにしたような、中央の黒い部分か脊髄か入っている脊柱管です。その空間の前方部分に、「きのこ」のような白い出っ張りがありますが これが靭帯の骨化の部分です。

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頚椎後縦靭帯骨化症の治療法は?

椎間板ヘルニアや変形性頚椎症のように、頚椎のガタガタからきているものではありませんので、残念なから特効薬のような治療法はありません。ましてや、古典的な牽引療法などか効く可能性は理論上ほとんどないとお考えください。

ともかくMRIを撮り病状の評価を専門家にしっかりしてもらうことが一番大切です。痛みの緩和方法として筋弛緩剤や消炎鎮痛剤、しびれが出ている際にはビタミンB剤などが使用されます。

また、症状と脊髄の圧迫の程度は必ずしも比例しません。症状が進むようなとき症状がまだ軽くても圧迫か強いときなどは、手術療法を考えてもよいかもしれません。骨を溶かす薬などを使うことはできないので、本質的な治療は手術以外にありません。

したがって、脊髄の圧迫による症状が出始めたときに、今後さらに進行する確率がどの程度あるのかを専門医に相談するのが良いでしょう。

 

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